2014年6月16日月曜日

Peter Singer "Hegel: A Very Short Introduction"

ヘーゲルの入門書はほかにいくらでもあるが、これは割と身近な問題と関係づけて話してくれるので、最も親しみやすい部類だろう。西洋哲学が分かりにくいのは、主にキリスト教由来の未確認の前提が多すぎるせいだが、たいていが元はヘーゲルに戻れる。そのヘーゲルも未確認の勝手な前提の中で理屈をこね回しているような印象が強いが、それでもカントに比べれば前提を破壊して進んでいる。わたしの考えでは、西洋哲学は未確認の前提を破壊する歴史だが、最初からそんな前提を共有していないと、何と戦っているのか分からないというような・・・。ともあれ、ヘーゲル入門としては良い。

A good introduction to Hegel. Readable enough.

Oxford Univ Pr (2001/12/6)
ISBN-13: 978-0192801975

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