2012年5月18日金曜日

Dan Ariely "Predictably Irrational"

行動経済学については、最初にあまり面白くない本(洋書だったがタイトルとか忘れた)を読んでしまい、更に日本語の本はどれもこれも詰まらないので(話術の問題だろう)、ずっと無視していたが、"Thinking, Fast and Slow"を読んで感動してから、遡って売れた本を読んでいる次第。それにしても、行動経済学の本は、どうもタイトルが冴えない。ともあれ、行動経済学的なエピソードは既にわたしの中で飽和していて、この本を読んでも新奇な事例は出てこないが、それでも、解釈とか話術には色々発見があった。相対論と同じで、本質は飽きるほど分かっているのだが、色々な解釈とか表現とかで楽しめる感じ。(ただし相対論はさすがに飽きた)。

この本の特徴としては、セイラーほどではないが、わりと人間を信じていて、社会改良的な方向が見える点か。カーネマンよりは学術的ではない。タレブほど醒めてはいない。表現が難しいが、それぞれの個性としか言えない。社会関係基盤にまで触れている点も、今まで読んだ本とは違う。日本でも「ソーシャル・キャピタル」の概念が普及し始めているが、そっちの方向も追求してみる価値がありそうだ。

Another nice book on behavioral economics. I have been already fed up with episodes from behavioral economics. Still, I was fascinated by its way of telling and interpreting economical experiments. My first choice is Kahneman. However, it depends on one's taste.

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