2011年11月3日木曜日

Dorothy H. Crawford "Viruses: A Very Short Introduction"

この本が面白く書けているというのもあるけど、そもそもウイルスというもの自体が面白い。よく「コンピュータウイルス」とか言うけど、本物のウイルスに比べれば、人間の作ったものなんてチャチなものだ。

ウイルスにはDNAウイルスとRNAウイルスがあるが、どっちにしろ、遺伝情報という情報の世界で繁殖するもので、この点がバクテリアとはっきり違う。もちろん、その情報に基づいてタンパク質という実物が生産されて初めて価値があるわけだが、生産工場自体は宿主のを借りればいいので、ウイルス自体は情報だけ持っていればいい。この辺りの詳細な話が最初に描写されている。

本書の中心部分はウイルスによって引き起こされるさまざまな病気の記述。HIVやら肝炎やら天然痘やらエボラウイルスやらインフルエンザやら、その他凶悪な疫病がたくさんあり、なかなかホラーだ。感染メカニズムや疫学、さらには人体の免疫反応なども詳しく述べられる。分かっていることも色々あるが、分からないことは遥かに多い。

さらに、人類の側の反撃策について述べられる。といっても、ワクチンくらいしかないし、大量の資源が投入されているのに、未だにAIDS根絶は可能性も見えない。だいたい、ただの風邪ですら根絶の見込みはないのだ。一番最後には、生物兵器としての利用も語られている。ずっと読んでくると、最後の一文はかなり感動的だが、ネタバレなので各自お読みいただきたい。

Fascinating. This book is fascinating and viruses themselves are fascinating. People talk about computer viruses, but real viruses are much more sophisticated and compared to them, human-made computer viruses are cheap imitation. In the first part of this book, these replication mechanisms of viruses are described. Viruses are just a few bunch of RNAs or DNAs and they carry only information, based on which proteins are produced by using hosts' machinery.

The second part describes many examples of maladies caused by viruses. HIV, hepatitis, small pox, influenza... The third part describes the counter attack by humans, though we have only just a few vaccines.... Finally, viruses as deadly weapons are mentioned. The last sentence of this book is very impressing. You should read it yourself....

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