2011年1月26日水曜日

Daniel Fleisch "A Student's Guide to Maxwell's Equations"

This is the best physics book that I have ever read. English-speaking people can easily find this book out of the sea of physics textbooks because it is so famous that I feel hardly it is necessary to add another book review. I just want to point out that it is translated into Japanese.

これは今までに読んだ物理学のテキストの中で最善だった。四つのマクスウェル方程式のそれぞれの微分形・積分形を完全解説。日本の高校程度の物理・数学の知識があれば、他に必要なのは偏微分の知識くらいで、ググればすぐわかる程度のことだ。ベクトル解析はこの本の中で解説されるので、知っている必要はない。∇とか、その他怪しい記号も全部解説されるので、むしろ、この本によってベクトル解析に入門できる。

日本語訳もあるけど、個人的には原書のほうが好きだ。理由として一番大きいのは、ベクトルの表記で、原書の矢印表記が、日本語訳では太字表記になっていて、わたしは馴染みにくい。日本語訳は訳注が充実しているけど、もともとが易しい本なので、逆に混乱する虞がないとは言えない。

原書はWebsiteと連動していて、podcastもいいけど、演習問題の解答がすばらしい。一気に答を見る必要はなく、何段階にもわたってヒントを順番に見ることができる。わかった時点で答えればいい。日本人の感覚では学生を甘やかし過ぎなのかもしれないけど、独学者には有り難い仕掛けだ。日本語訳は、巻末に答がついているけど、最悪そこだけでもWebsiteを使わないと、この本の価値は三割減くらいになる気がする。まあ、三割減くらいでは、この本がマクスウェル方程式に関する最高の入門書であることを、全く傷つけないが・・・。


0 件のコメント:

コメントを投稿